大雨特別警報が熊本県に発表された11日、複数の九州新幹線が高架上で列をなして待機する写真がSNSに投稿され、話題になった。6年前の台風による大雨で北陸新幹線が水没したトラブルを教訓にした「未明の避難作戦」とは――。
投稿された写真は、旅行中の男性会社員(30)がJR熊本駅(熊本市西区)前のホテルの部屋から写したもの。マンションなどの建物に囲まれた高架に複数の九州新幹線がほぼ等間隔で並んでいた。
1千万回超の表示
男性は11日早朝、窓越しに新幹線が止まっているのを見て「何かのトラブルか」と思い、視界が良くなったタイミングで撮影。X(旧ツイッター)に「なんかすげぇ行列」というコメントとともに投稿すると、表示回数は13日朝までに1千万回を超えた。「珍しい光景」「なかなか見られない」などとコメントも付いた。
記録的な大雨で、河川が氾濫(はんらん)する恐れが高まった。JR九州は11日午前3時ごろから熊本総合車両所(熊本市南区)にあった13編成を順番に高架に移動させ、熊本駅までの約10キロを使って配置。各新幹線には運転士も乗っており、同日正午過ぎから基地に戻し始めた。
車両の一時避難を行ったのは、車両所はハザードマップ上で、洪水によって想定される浸水深が「0.5~3.0m」とされ、水没の可能性があったからだ。
こうした対応は、2019年10月に台風19号の影響で北陸新幹線10編成が水没したことを受けての措置だ。この時は千曲川の氾濫で、JR東日本の長野新幹線車両センターが浸水し、屋外の7編成と車庫内の3編成が廃車となった。
「初めての避難だった」
このトラブルを受け、国土交…