鳥取県倉吉市に誕生した市立打吹小学校で10日、校名披露式があった。統合後の新校名を巡り二転三転した末のようやくの船出。山名毅校長は児童らに「名前の大切さ」を強調し、「この学校の名前をみんなで大切にしていきましょう」と呼びかけた。
10日は倉吉市立の小中学校のほとんどで始業式があり、打吹小ではその前に校名披露式が催された。校舎の玄関や門柱の校名板などは以前の「成徳小学校」から真新しい「打吹小学校」に装いを変え、桜が舞う中、児童たちを出迎えた。
披露式には入学式前の1年生を除く2~6年生約120人が出席し、広田一恭市長や福谷直美市議会議長らが参列した。広田市長はあいさつで「本日、この校名を披露できることを大変うれしく思う」「地域の皆さんから愛される校名となりました」と述べた。
山名校長は新校名を巡る騒動について「すべては、この学校の子どもたちのために、という温かい気持ちからだと感じていました」と振り返った。そして児童に対し「皆さんはお友だちや家族、周りの人たちの名前を大切にしています。打吹小学校という名前をみんなで大切にしていきましょう」と呼びかけた。
広田市長は報道陣の取材に、「長期間ご心配をおかけしたことをおわびしなければならない」とした上で、「最終的には、皆さんに一番いい名前じゃないかと思われる名前に決めさせていただき、感謝申し上げる」と述べた。
打吹小は、旧灘手小、旧成徳小が統合して誕生。新校名を巡っては、いったんは「至誠」と決まったが、事前の公募で寄せられた案では「打吹」が最多だった。選考過程を疑問視した市民らが「至誠」の撤回を求めて市長に直接請求するなど、市議会も巻き込んだ騒動になった。
新校名は「至誠」「打吹至誠」「成徳」と二転三転したが、保護者アンケートなどを経て「打吹」で決着した。(奥平真也)