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 将棋の「トーヨーカネツ杯第1回関西女流新鋭戦」(トーヨーカネツ株式会社特別協賛)が6~8月に開催され、高校2年生の木村朱里(じゅり)女流初段(17)が参加16人の頂点に立った。棋戦創設の経緯や、熱戦の様子を報告する。

 「持ち時間各20分、切れたら1手30秒未満」の早指し戦。第1回は、日本将棋連盟関西本部所属の女流棋士のうち女流初段以下の14人と、女流棋士をめざす研修会員2人の計16人が参加し、トーナメントで競った。

 4強入りを決める戦いは6月15、29の両日、大阪府高槻市の関西将棋会館で。ファンはモニターに映る対局姿を見ながら、服部慎一郎七段(26)ら関西の人気棋士による解説を楽しんだ。対局を終えた女流棋士が大盤解説会場で感想を述べたり、サイン色紙を贈る抽選会でくじを引いたり、ファンと交流した。

 準決勝と決勝は8月31日、和歌山県有田市の老舗旅館「橘家」で。公式戦ではないが、まるでタイトル戦のような舞台設定だった。特別協賛のトーヨーカネツ株式会社の拠点が同市にある縁で選ばれた。

写真・図版
「トーヨーカネツ杯第1回関西女流新鋭戦」準決勝に臨む木村朱里女流初段(左)と松下舞琳女流初段(右)。対局開始には久保利明九段(中央右)が立ち合い、まるでタイトル戦のようだった=8月31日、和歌山県有田市、佐藤圭司撮影

 開幕式で同社の大和田能史社長は「有田市に少しでも恩返しできればという気持ちと、そして、将棋界の発展に少しでも貢献できればという思いで今回、協賛させていただきました」などとスピーチ。

 ファンと交流する形で行われた新棋戦。創設の舞台裏には、「関西の若手女流棋士に活躍の場を」というある棋士の願いがありました。

 日本将棋連盟専務理事の脇謙…

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