港製菓の笹団子=2024年9月30日、新潟市東区臨港町3丁目、茂木克信撮影

 戦国武将の上杉謙信が携帯食にしていたと伝わる、新潟県民のソールフード「笹(ささ)団子」。よもぎ入りの生地であんこを包み、笹の葉で包んで蒸した俵形の団子で、各家庭で手作りの味が受け継がれてきた。そんな食文化の存続が危ぶまれるとして、製造大手の「港製菓」(新潟市東区)が、一石を投じる商品を世に出した。その名も「笹だんごの笹むいちゃいました」。

 1936年創業の老舗和菓子メーカーの同社は笹団子の製造を50年以上手がけ、笹の葉を年間1千万枚ほど仕入れている。昨年まではすべて新潟産の笹で賄っていたが、流通量が細り、今は中国産も使っているという。

ピンチを逆手に

 笹は昔と変わらず、山に行けばたくさんある。これまでは笹団子に適した軟らかい葉が生える6、7月ごろ、主に田植えを終えた米農家が山菜と同じように採っていた。そうした人を業者が訪ねて回り、現金で買い取って問屋に売り、問屋が同社へと卸していた。

 そのサイクルが崩れた。

 まずは農家が高齢化した。藪…

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