新潟市の古町地区にある地下商店街「西堀ローサ」が31日、すべての営業を終えた。開業からおよそ半世紀。かつては流行の発信地で、営業最終日に向けては様々なイベントが催された。市は6月にも店舗が並ぶ部分の施設を買い取る方針で、跡地利用の議論を進める。
3月29日午後8時、テクノユニット「電気グルーヴ」の石野卓球さんがスペシャルDJとして登場すると、大きな歓声があがった。西堀ローサで毎週土曜日の夜に開催されてきたイベント「古町夜市」はこの日が最終日。訪れた約3千人は地下街に鳴り響く重低音に酔いしれた。
31日午後1時からは、「新潟お笑い集団NAMARA」が市から運営を委託されているイベントスペース「よろっtoローサ」で、メンバーによる西堀ローサ最後のトークイベントがあった。会場に入りきれなかったファンらが通路にあふれ、地元をネタにしたお笑いを楽しんだ。
1976年、県内初の地下商店街として開業した。古町の中心部にあって二つの百貨店ともつながりにぎわったが、百貨店が相次いで閉店するなどし、テナントの売り上げは激減。運営する第三セクター「新潟地下開発」は年内に解散する方針で、テナントには3月末までの撤退を要請していた。跡地の活用方法について、市は昨年8月から民間事業者との対話による市場調査を実施しており、市有化後に議論を本格化させる。
古町夜市を企画した広告会社経営の永井大地さん(37)は「西堀ローサや古町の良さを感じている人はたくさんいる。そんな人たちの思いが新しいローサにつながって欲しい」と話した。