新潟水俣病の情報発信に取り組んでいる三つの大学の学生が、新潟市中央区の新潟県立生涯学習推進センターで活動の成果を発表した。学生たちは「自分たちのこととして考えることが大切」などと述べ、語り継ぐことの重要さを強調した。
発表したのは16日。新潟大学と新潟県立大学の学生は主に、水俣病が最初に発生した熊本県水俣市での調査内容を報告した。そのうえで新潟大の学生は、新潟水俣病の被害者らから聞き取った内容をまとめた冊子を作成したと説明した。県立大の学生は、水俣市の被害者が「かわいそうな人ではなく、一人の人間として見てほしい」と語ったことが印象に残ったと話した。
新潟医療福祉大学の学生は、新潟水俣病の被害者への聞き取りのほか、原因企業である旧昭和電工(現レゾナック・ホールディングス)の鹿瀬工場などを見たと語った。被害者が偏見を受けずに安心して暮らせることが重要とし、被害者が「想(おも)いを語れ、心を紡ぐ場」が必要だとした。
発表に耳を傾けた「ノーモア・ミナマタ2次訴訟」新潟訴訟原告団の酢山省三事務局長は「学生たちが我がこととしてとらえてくれているのはうれしい。こうしたことが被害を語り継ぐことにつながる」と話した。