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5選を確実にし、支援者らとバンザイする関口芳史氏(中央)=2025年4月27日午後8時54分、新潟県十日町市

 新潟県十日町市長選は27日に投開票され、無所属現職の関口芳史氏(66)が無所属新顔で不動産業の樋口明弘氏(77)を破り、5選を果たした。当日有権者数は4万463人で、投票率は68・01%(前回67・25%)だった。

 2013年、17年と同じ顔ぶれによる一騎打ちとなった選挙戦は、関口氏の4期16年の市政への評価や人口減少対策を中心に争われた。

 関口氏は5選を確実にした午後8時45分過ぎに事務所に現れた。支援者から花束を贈られ、万歳をした後、「市の課題はたくさんあるが、いままでの4期16年の自信を生かし、一歩一歩前に歩を進める」と語った。

 関口氏は市内の里山などを舞台に3年に1度開かれる「大地の芸術祭」で市の知名度が向上したことや、地域おこし協力隊への手厚い支援、独自の移住支援金が奏功し、移住者が増加して人口流出にも一定の改善がみられたと実績を強調した。

旧市誕生以来、5選は初

 次の4年間に向けて、高規格道路建設に伴う地域整備の検討や北越急行ほくほく線のミニ新幹線化の実現に向けた基礎づくりを挙げ、再生可能エネルギーの要となる大規模な蓄電池事業者の誘致にも取り組むと意欲を示してきた。

 同市では1954年に旧市が誕生して以来、5選を迎えた市長は初めて。関口氏は自身への多選批判も踏まえて「熟慮したい」とし、立候補表明は告示まで1カ月を切った3月下旬となった。今年度の一般会計当初予算も義務的経費を中心とした骨格予算にしていた。

 樋口氏は人口減少が続く状況に危機感を訴え、大地の芸術祭や地域おこし協力隊への支援についても「効果はない」と見直しを唱えるなど、市政刷新を主張。市内に水力発電所があるJR東日本から電力の地元還元を受けて安い電気料金で企業誘致すると支持を呼びかけたが、及ばなかった。

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