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初盆を迎えた家を巡って踊る、着物姿の踊り手たち=2025年8月13日午後0時30分、福島県いわき市大久町、相場郁朗撮影
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 福島県いわき市で13日、新盆の家を巡る「じゃんがら念仏踊り」が各所で始まった。江戸時代から続く伝統の行事で、この1年間に亡くなった人がいる家を着物姿の踊り手たちが巡り、歌い、踊る。

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 この日は同市の久之浜、大久両地区を「久之浜大久自安我楽(じゃんがら)継承会」の12人の踊り手が回った。腹に下げた太鼓に合わせた歌と「手踊り」から始まり、後半は鉦(かね)が加わって少し速いテンポになる。

 東日本大震災の津波で約730棟が全半壊し、69人(関連死含む)が亡くなった場所で、震災後も葛藤を重ねながら踊りは続けられてきた。14日もあり、合計30戸を訪ねる。

 地元出身で埼玉県の会社員、内田むつみさん(61)は今年春に母の猪狩洋子さん(当時87)を亡くし、姉妹や親戚らと実家の庭でじゃんがらを見届けた。「この町で育った私たちには、じゃんがらの供養には独特の思いがある。鉦の音は心に響き、亡くなった人に思いをはせることができる。どうか母にこの鉦の音が届くようにと願いました」と話した。

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