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銀行の窓口で受け取った新紙幣=2024年7月3日午前10時8分、さいたま市浦和区、内田光撮影
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 日本銀行は3日、新たな紙幣の発行を始めた。1万円札は「資本主義の父」と呼ばれる実業家の渋沢栄一、5千円札は女性の地位向上に尽くした津田梅子、千円札は破傷風の治療を確立した北里柴三郎の肖像となる。刷新は2004年以来20年ぶり。前回は1年間で、流通するお札の6割ほどが新紙幣に切り替わった。

 日銀本店(東京都中央区)と全国32支店では3日午前8時ごろから、新紙幣が金融機関に引き渡された。日銀によると、この日の引き渡しは2.8億枚で、金額は1.6兆円だった。1日平均の7.5倍にあたる。今後、新紙幣を入手できる銀行などの店舗が増えていくとみられる。

 岸田文雄首相は3日午前に日銀本店を訪れ、引き渡しの様子を視察した。その後の記者会見で、岸田首相は「新紙幣が国民に親しまれ、日本の経済に元気を与えてくれることを期待したい」と述べた。日銀の植田和男総裁は、キャッシュレス決済が進む中での新紙幣の発行について、「現金は、誰でもいつでもどこでも安心して使える決済手段として重要。現金への需要がある限り、責任を持って供給してまいりたい」と話した。日銀は来年3月末までに現在流通するお札の46%にあたる計74億8千万枚を用意する予定だ。

 東京証券取引所では、新1万…

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