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デジタル化で紙のお札は最後になるかも?

 20年ぶりとなる新しい紙幣が3日、発行された。1万円札は渋沢栄一、5千円札は津田梅子、千円札は北里柴三郎の肖像が描かれている。「大量に流通するお札としては、今回が最後になるのではないか」。日本銀行出身の中島真志・麗沢大教授は、こう予測する。近年はキャッシュレス化が急激に進み、若者を中心に現金にふれる機会も減ってきた。次の変更も20年後だとすれば2044年。その頃には、お札ではない、新たな「通貨」が登場しているかもしれない。

 経済産業省によると、23年のキャッシュレス決済比率は39.3%で、13年(15.3%)から2.6倍に拡大した。

 さらに現金離れを加速させるかもしれないのが「デジタル通貨(CBDC)」だ。お札や硬貨を電子上でやりとりする通貨のことで、スマートフォンのアプリやQRコードなどを使った利用が想定される。現金からCBDCに移行すれば、中央銀行は、紙幣の印刷や流通コストを節約でき、銀行はATMの削減を進められる。

 民間のキャッシュレス決済の場合、小売店が端末を導入し、決済会社に手数料を支払う必要がある。CBDCはそのような手間を省けるのが特徴で、「いつでもどこでも」送金できる。

 日本では「デジタル円」の導…

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