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写真・図版
映画「さくら隊散る」の一場面=近代映画協会提供

 80年前、米軍が広島に投下した原爆で、俳優ら9人が「全滅」した劇団がある。戦時中、広島に派遣されていた移動演劇隊「桜隊」。

 その足跡を証言と再現ドラマで描いた新藤兼人監督の映画「さくら隊散る」(1988年公開)が8月23日、「桜隊」隊長だった俳優の丸山定夫の出身地・松山市で上映される。

 桜隊の9人は1945年8月6日、爆心地に近い宿舎で被爆した。5人は即死し、隊長だった丸山や宝塚歌劇団出身の園井恵子ら4人は8月中に避難先で死亡した。

 新藤監督は広島出身で日本映画界の巨匠の一人とされ、映画「原爆の子」「第五福竜丸」など原水爆の被害を題材にした作品をつくったことでも知られる。

 「さくら隊散る」は、丸山らが放射線の影響で苦しみながら命を閉じるまでの過程を再現ドラマで描く。被爆後、故郷の東京まで逃れ、東大病院に入院して「原子爆弾症第1号」として記録された俳優の仲みどりの最期も紹介される。

舞台の映像は現存せず

 また、丸山らと親交があった…

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