世界3大映画祭の一つ、第81回ベネチア国際映画祭が7日、閉幕した。日本作品の受賞はなかったが、新鋭や巨匠の作品が会場で喝采を浴びた。
斬新な作品を集めた公式部門のオリゾンティ部門には、空音央(そらねお)監督の長編劇デビュー作「HAPPYEND」が参加。2日の上映後には約5分間のスタンディングオベーションが起き、劇場は熱気に包まれた。
空監督は、胸元にパレスチナの旗のピンバッジをつけて会場入り。出演俳優らとともに、万雷の拍手に応じた。
映画は近未来の日本の高校が舞台。青春群像劇であると同時に、多様なルーツを持つ高校生が登場し、排他的な社会を批判的に描く。
上映後に行われた劇場での会見中も、賛辞を送る観客の歓声がやまなかった。また、観客の一人が「フリー、パレスチナ」と空監督に叫ぶと、監督は「ありがとう。フリー、パレスチナ」と英語で応じ、パレスチナへの連帯を示した。
物語の中心となる5人の高校生役は、オーディションで選ばれた。うち4人は演技未経験だったという。
無名俳優を起用、それでも
コウを演じた日高由起刀さん…