認定特定非営利活動法人「おはなしころりん」理事長の江刺由紀子さん=2025年3月22日、岩手県大船渡市、伊藤恵里奈撮影

 山林火災に見舞われた岩手県大船渡市で、4月に小学校に入学する子どもたちに花を贈るために、クラウドファンディング(CF)が実施されている。寄付を募っているのは、本の読み聞かせ活動をする認定NPO法人「おはなしころりん」。「市内の新1年生に笑顔を届けたい」と広く協力を呼びかけている。

 「おはなしころりん」は2003年に活動を始めた。東日本大震災後は読み聞かせや移動図書館を通じて、被災者の心のケアや地域の交流の場づくりに取り組んできた。

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心待ちにする新1年生のために

 しかし、震災から年月が経つにつれ、国などの補助金が減少し、被災地支援団体の運営は厳しさを増している。おはなしころりんも赤字経営が続くが、震災後に別の市民団体が始めた「新1年生への花束贈呈」活動を、4年前に引き継いだ。理事長の江刺由紀子さん(63)は「大船渡の子どもたちは『入学式で花をもらえる』と心待ちにしている。その伝統を絶やしたくない」と話す。

 市によると、4月1日に入学式がある綾里小学校を皮切りに、今年は市内12の小学校と支援学校に183人の児童が入学する予定だ。おはなしころりんでは、ボランティアが作った花束を、担任の教員分などを含めて223組贈るという。

 目標額は100万円。集まった資金は花束の制作費のほか、被災者の心のケア活動にも充てられる。寄付は4月8日深夜まで、クラウドファンディングサイト「コングラント」(https://congrant.com/project/congrantsupport/16583)で受け付けている。

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