兵庫県の定例県議会を前に報道陣の取材に応じる斎藤元彦知事(右)=2024年9月19日午前10時5分、県庁、島脇健史撮影

 記者会見で口を極めて部下を批判した半年前、このような結末は想像していなかっただろう。内部告発問題で兵庫県議会から不信任決議を突きつけられた斎藤元彦知事が、30日付で失職し、出直し選に臨む意向を固めた。自身の疑惑や内部調査の違法性を「完全否定」していた斎藤氏は、少しずつ反省を口にしたり、経緯を詳しく説明して局面の打開を試みたりと態度・姿勢を軟化させたかに見えた。しかし、肝心な部分では「適切だ」「法的に問題ない」とかたくなに非を認めず、自らの立場を追い込んでいった。

 「うそ八百の文書だ」「懲戒処分にする」。内部告発をした元西播磨県民局長(当時60)に対し、斎藤氏が厳しく批判したのは、3月27日の会見だった。この会見の前、県の担当部局が斎藤氏に渡した想定問答では、告発をめぐる問題を「調査中」と答えるだけになっていた。会見を見ていたある県関係者は「あぁ……と思った」と振り返る。

 この発言を機に、斎藤氏への批判が高まり始めた。6日後の会見では、記者から第三者機関での調査の必要性や、公益通報者保護法との関係などについて質問された。さらに2日後には、元県民局長が県の公益通報窓口にも告発をした。

 保護法の観点では、元県民局…

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