日本とフィリピンの両政府は12日、自衛隊とフィリピン軍を共同訓練などで相互に訪問しやすくする「円滑化協定(RAA)」を、9月11日に発効させると決定した。東シナ海や南シナ海で中国からの圧力が強まる中、日比の安全保障協力がいっそう緊密さを増す。
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マニラのフィリピン外務省で12日、遠藤和也・駐フィリピン日本大使とフィリピンのラザロ外相が文書を交換し、RAA発効に向けた国内手続きの完了を互いに通知した。
遠藤大使は「この協定は、困難な安全保障環境の中で、緊急の課題に断固として対応するという両国の決意を改めて確認するものだ」と強調した。フィリピンのテオドロ国防相は「一方的な利益のために世界秩序を再構築しようとする試みを阻止するため、日比の部隊が協働できる」と述べた。
発効すれば、自衛隊と比軍に対し、相手国への入国のためのビザ取得や、武器弾薬を持ち込む手続きなどが簡略化される。中国の海洋進出に対抗するための抑止力強化のほか、災害救援の迅速化などの狙いがある。
前日には中国船の船首が潰れる事故
フィリピンや同盟国の米国は…