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ソウルで2024年5月26日、日中韓首脳会談にあわせた晩餐(ばんさん)会に臨む岸田文雄首相、中国の李強首相、韓国の尹錫悦大統領ら=韓国大統領府提供

 約4年半ぶりとなる日中韓首脳会談(サミット)が27日午前、ソウルで開かれた。岸田文雄首相と中国の李強(リーチアン)首相、韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の3首脳が出席。人的交流や気候変動、経済・通商など6分野で協力を推進し、日中韓の自由貿易協定(FTA)の交渉の加速化に向けた議論を継続することなどを盛り込んだ共同宣言を採択した。

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 サミットでは、27日未明に「衛星ロケット」の打ち上げを通知するなど軍事開発を加速する北朝鮮への対応についても意見交換した。岸田氏は会談の冒頭、「仮に発射を強行すれば国連安保理決議違反であり、強く中止を求める」と言及。北朝鮮問題を含む国際情勢などについて「3カ国の意思疎通を強化したい」と呼びかけた。尹氏も北朝鮮が打ち上げを強行した場合、「断固として対応しなければならない」と強調した。李氏は冒頭発言では北朝鮮への対応に触れなかった。サミット後に発表された共同宣言では「朝鮮半島問題の政治的解決のために引き続き前向きに努力する」ことで合意したとしている。

 サミットの開催は中国・成都で開かれた2019年12月以来。新型コロナウイルスの感染拡大や、日中韓それぞれの関係悪化などが重なって途絶えていた。元徴用工の問題などをめぐり日韓関係が冷え込んでいた前回とは異なり、今回は日韓が接近する一方、中国との間に距離が広がるなかでの対話となった。(ソウル=太田成美)

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