(第107回全国高校野球選手権大会準々決勝 第14日〈21日〉の見どころ)
①日大三(西東京)―県岐阜商(岐阜)
ともに1試合で平均5点以上を奪ってきた攻撃力が自慢。点の取り合いが予想される。
日大三は長打でペースをつかんできた。4番田中諒は、準々決勝の関東第一戦で好左腕から左越えソロを放ち、今大会で唯一2本塁打を記録した。好調の1番松永海斗が出塁し、好機で回したい。打率1割台の主将で3番本間律輝も長打力を秘める。エース右腕近藤優樹は、好調の相手打線に対して初球の入り方に気をつけたい。
県岐阜商は準々決勝で選抜王者・横浜を延長の末に破り、勢いに乗る。十一回にサヨナラ打を放った4番坂口路歩(ろあ)ら、不振だった中軸に勝負強さが出てきたのは好材料だ。ただ、4試合計8失策と守備が不安定。エース右腕柴田蒼亮や緩い変化球で横浜を封じた左腕渡辺大雅らは、低めへの制球力が求められる。
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②沖縄尚学(沖縄)―山梨学院(山梨)
山梨学院の強打を、沖縄尚学がどう抑えるか。山梨学院は準々決勝で前年王者・京都国際の西村一毅を攻略。全3試合で2桁安打を放ち、計31得点と、打線の力は4強の中でも頭一つ抜けている。中でも4番横山悠は打率8割と絶好調だ。
投手陣も194センチの長身から最速152キロの直球を投げる菰田陽生、変化球が武器の左腕・檜垣瑠輝斗が安定しており、大崩れは考えにくい。
沖縄尚学は延長タイブレークを含め、全4試合を3点以内に抑え、3点差以内で勝ってきた。大量点は望めないだけに、相手打線を3点以内に抑えたい。最速150キロ左腕の末吉良丞が注目されるが、同じ2年生で右腕の新垣有絃も計11回で失点1と好調だ。継投で競り合いに持ち込めば勝機はある。
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