ウクライナの首都キーウで開かれたスタンドアップコメディーショーで、客に話芸を披露する芸人(左)=2025年1月31日、藤原伸雄撮影

 金曜夜、ウクライナの首都キーウにある雑居ビルの地下2階で、スタンドアップコメディーショーが時折、開かれる。

 芸人の話芸に耳を傾けながらビールをあおる男性、化粧を気にして、手鏡をのぞくドレス姿の女性――

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 毎日のように空襲警報が鳴り響くという「非日常」が「日常」になる中、若者たちが「日常」を取り戻そうとしているようにもみえる。

 芸人は時折、戦争を笑いに変える。ある芸人は、戦時下で精神を病む人が増えていることを題材に。「カウンセラーの相談料がどんどん上がっていることを顧客がとがめたところ、そのカウンセラーはロシア語にスイッチし、『全部ゼレンスキーのせいなのです』と言った」とブラックジョークで笑わせた。

 訪れていた女性は「まだ戦争のネタには笑えなかったけど、くよくよしてもしょうがない。気分を変えないと」と話した。

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