財務省は3日、2026年度予算に向けた各省庁からの概算要求総額が122兆4454億円だったと発表した。足元の金利上昇を受けて国債費が大きく増えたほか、財務省は今回、物価高や賃金上昇などを要求に反映しやすいよう「インフレ型」に基準を変更したことで、総額は過去最大となった。
各省庁の要求で目立ったのは、政府や地方自治体が実施する事業に携わる人への報酬を手厚くしたことだ。総務省は、統計調査などの調査員手当を25年度比で平均6%増やすため、計4.6億円を計上した。例えば、青森県では調査員の日当を8960円から9490円にする。
同様に国土交通省は、公共工事の価格積算に使う労務単価を引き上げた。左官については25年度の2万7414円から7%増の2万9351円に増額するという。金融庁も公認会計士試験で使う問題用紙の印刷製本単価を114.8円から20%増の137.2円にした。
政府や地方自治体による官公需は、国内総生産(GDP)の4分の1を占める。官公需での価格転嫁を促し、「官」を起点に賃上げを後押しするねらいがある。ある政府関係者は「何十年も『削減』が前提だったが、インフレ時代に対応した発想に変える。画期的なことだ」と意義を強調する。
物価高対策アピールしたい政権、財務省は「適切に」
石破茂政権としては、物価高…