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記者会見に臨む林芳正官房長官=2024年12月9日午前10時2分、岩下毅撮影
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 シリアの反体制派が首都ダマスカスを制圧し、独裁を続けてきたアサド政権が崩壊した。日本政府はこれまで欧米諸国と足並みをそろえ対シリア制裁を科す一方、人道状況の改善に向けて支援を続けてきた。今回の政変が中東地域における国家間のバランス・オブ・パワー(力の均衡)を変容させる可能性があるだけに、日本政府は「重大な関心を持って状況を注視していきたい」(岩屋毅外相)との姿勢を取る。

 「全ての当事者に対し、暴力の即時停止、国際人道法を含む国際法の順守、中東地域における緊張緩和に向けた必要な措置を取ることを強く求めるとともに、シリア情勢において平和的で安定した移行が行われることを期待している」。林芳正官房長官は10日の会見で、こう語った。シリアの状況改善のために、「(日本政府として)中東地域諸国との関係を基盤に、各国とも緊密に連携しながら中長期的な地域の平和と安定の確立に向け、外交努力を重ねる」と語った。

 民主化運動「アラブの春」を…

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