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延長九回、サヨナラのホームを踏んだ為永皓(中央)のもとに日本の選手たちが集まる=沖縄セルラースタジアム

 野球のU18(18歳以下)ワールドカップ(W杯)第8日は12日、沖縄セルラースタジアム那覇などで決勝ラウンド(R)があり、A組1位の高校日本代表はB組3位のパナマを延長九回タイブレークの末に6―5で下した。開幕7連勝で決勝Rでの通算成績を4勝0敗とし、13日の台湾戦を挟み、14日の決勝で米国と対戦することが決まった。

 日本は先発の森下翔太(創成館)が八回途中まで被安打1、3失点の力投。タイブレーク方式の延長八回に4点を奪われたが追いつき、九回1死満塁から岡部飛雄馬(敦賀気比)がサヨナラのスクイズを決めた。

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為永が同点打

 日本の窮地を救ったのは、一番苦しんでいた打者だった。

 1点を追った六回2死三塁。6番為永皓(ひかる)(横浜)が、外角高めの変化球を強振した。ライナー性の打球は中堅手の前に落ちる同点打になった。「素直に、本当にうれしかった」。一塁上で右拳を振って叫んだ。

 為永は堅守の三塁手として代えがきかない存在で、前夜までの全6試合に出場した。が、事前情報の少ない相手と木製バットへの対応に苦しみ、打率1割台とあえいでいた。打点も挙げられていなかった。

 この場面は、同じ横浜のチームメートがお膳立てしてくれた。1死から4番阿部葉太が右前安打で出塁し、二盗に成功。次打者の奥村凌大が右飛を放って阿部を三塁に進めていた。為永の意地の一打に、ベンチは一気に沸き立った。

 タイブレークの延長八回は、4点を追うことになったが、1死満塁から阿部、奥村凌の連続適時打で1点差に迫り、なお一、二塁で為永が左前に落とし、試合を再び振り出しに戻した。

 為永の奮起。そして、為永を含む横浜の3選手の勢いに乗って、九回を無失点で耐えしのいだ日本。直後の攻撃で岡部のサヨナラスクイズを呼び込んだ。

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