アシュリー・クラークさん(右)と麗菜クラークさん=後藤洋平撮影

 アシュリー・クラークさん(33)は英国出身で東京在住のファッションジャーナリスト。3月と9月に開催される東京ファッションウィークでは、若手の日本デザイナーらの要望で、他のジャーナリストらの囲み取材とは別に単独の時間を割り当てられることも多い「特別な存在」だ。

 主に執筆している媒体は、スマートフォンのアプリなどでも無料で読めるファッション専門の英語メディア「VOGUE RUNWAY」。アシュリーさんは、ショーが開催された直後、速やかに原稿を執筆する。

 これが、彼が「特別」である一番大きな理由だ。業界における「VOGUE RUNWAY」の影響は極めて大きく、世界中のブランドが、まずそこで評価されることを目指している。

 これまで、「VOGUE RUNWAY」に取り上げられるためにはパリやミラノのファッションウィークで公式スケジュールに入ることが前提だった。

 しかし、2023年3月からアシュリーさんが東京での取材を継続的に始めたことで、日本の若手デザイナーはパリやミラノに行かずとも、「VOGUE RUNWAY」の取材を受け、掲載されることになった。つまり、アシュリーさんが記事を書くようになって以降、拠点の東京でショーをすれば各国のバイヤーたちの目にとまり、興味を持ってもらえるかもしれない、という方程式が出来上がったのだ。

「日本の若手デザイナーは……」

 レディースはパリで、メンズ…

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