国の基幹ロケット「H2A」が50号機の打ち上げをもって引退した。2001年に初号機が打ち上げられて以来、20年以上、宇宙への輸送を支えてきた。成功率を高め、日本の宇宙開発への信頼を厚くした一方、打ち上げ費用は高く、世界市場での競争には及ばなかったなど課題も残る。
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H2Aは、先代のH2ロケットを大幅に改良した事実上の新型機として、1996年に開発が始まった。H2が98年と99年に相次いで打ち上げに失敗したため、その翌年予定していたH2最後の打ち上げを中止し、H2Aに絞って開発を進めた。
「作りやすくて使いやすいロケットに」。H2Aロケット初号機打ち上げ時の報道向けの資料にはこう書かれている。
当時、JAXA(宇宙航空研…