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みずから設置した私的な勉強会「国際収支から見た日本経済の課題と処方箋(せん)懇談会」の報告書について説明をする神田真人財務官=2024年7月2日午後6時4分、財務省、岡林佐和撮影

 企業の海外移転や「デジタル赤字」の拡大で、「稼ぐ力」が弱まっている日本経済をどう立て直すか――。財務省の神田真人財務官が3月に有識者らと立ち上げた勉強会が2日、報告書をまとめた。国際収支の視点から日本経済の課題を分析し、企業の新陳代謝や、安全確保を前提に原発再稼働を促すなどの「処方箋(せん)」だという。

 報告書では、過去30年余り、すでにある雇用や企業を守ることに主眼を置いてきたため、生産性の低い「ゾンビ企業」が温存されたと指摘。それゆえ賃金も上がってこなかったとする。解決には、セーフティーネットを準備したうえで、企業の新陳代謝や、成長分野への労働移動の円滑化を進め、生産性を上げることが重要だとした。

 また、化石燃料への依存から脱却するため、再生可能エネルギーの拡大や、安全確保を大前提に原発の再稼働を進めるよう提言した。

 神田氏は報告書のねらいにつ…

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