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会談前に栄誉礼・儀仗(ぎじょう)を受ける日米両国の防衛相=2025年3月30日、東京・市谷の防衛省、代表撮影
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 第2次トランプ米政権のもとで初めて開催されたヘグセス米国防長官と中谷元・防衛相による会談。ヘグセス氏は中国への強い警戒と対抗の姿勢を鮮明に、中国への抑止力を高めるために日米同盟を重視する考えを強調する一方、日本に「さらなる努力」を促す方針も示した。

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初めて使った「切迫感」

 「日米同盟の抑止力・対処力の取り組みについて、切迫感を持って進めていく」。会談後の共同記者会見で、中谷氏は「切迫感」という言葉を初めて使い、中国への対抗を念頭に、日米の安保協力を加速させていく考えを示した。

 今回の会談を日本側が「大成功だった」(中谷氏)と評価したのは理由がある。一つ目は、ヘグセス氏が在日米軍司令部の再編をめぐり、統合軍司令部への格上げに向けた第1段階を始めたと発表したことだ。24日に新設された自衛隊の統合作戦司令部のカウンターパート。在日米軍の態勢強化計画を中止する可能性があると一部の米メディアが報道していたこともあり、日本側は米側の発表を歓迎した。

 二つ目は、米側から防衛費増について具体的な数字での要求がなかったことだ。これまでも日本側は「他国に言われて日本の防衛費を決めるものではない」(石破茂首相)と主張し、防衛費を2023~27年度は43兆円まで増やし、27年度に国内総生産(GDP)比2%とする方針をトランプ政権側に説明。日本のこうした「自助努力」の姿勢が「米側からも理解を得られた」(中谷氏)と受け止めた。

 ただ、トランプ政権が中国に…

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