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応氏杯決勝五番勝負の第3局に臨む両対局者=8日、中国・上海
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 囲碁の世界メジャー棋戦「第10回応氏杯」で、日本の一力遼棋聖(27)が頂点に立った。日本勢として19年ぶりの「世界一」奪還だ。臥薪嘗胆(がしんしょうたん)の日本囲碁界の期待を一身に背負い、若きエースが大役を果たした。

 20世紀まで日本は囲碁最強国だった。呉清源(ごせいげん)、林海峰(りんかいほう)、趙治勲(ちょうちくん)ら海外の天才は、来日して才能を開花させた。彼らの活躍が母国を刺激し、日本を倒すヒーローが誕生。爆発的な人気を喚起し、新たな天才が輩出した。今世紀に入ると、世界は中国と韓国の一騎打ちの様相を呈していた。

 一力以前の日本勢の優勝は2005年「LG杯」の張栩(ちょうう)九段(44)までさかのぼる。台湾から来日し、名人など七大タイトルをすべて獲得して一時代を築いた。「私たちの少年時代、日本は憧れだったんです」

有力地方紙の取締役と「二足のわらじ」

 しかし、張が世界戦に出場す…

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