日本国籍を取得し、日本で初めての一票を今回の衆院選で投じる日系人男性がいる。生まれ故郷ブラジルと、日本での選挙の熱量の差に目を見張りつつ、その責任に高揚感を覚えている。
男性は、群馬県太田市で広告会社を営む日系3世の平野勇パウロさん(45)。10歳のとき、働くためにサンパウロから日本へ渡っていた父を追い、群馬に移り住んだ。
その後、日系人の妻(51)と結婚し、今は娘(19)と3人で暮らす。「日本での家探しや就職などで、将来、娘の選択肢が狭められないように」。そんな思いからこの夏、3人で日本国籍を取得した。そして先日、3人分の「投票所入場整理券」が自宅に届き、改めて喜びをかみしめた。
ただ、知人の日本人の集まりで初めて投票に行くと話題をふっても広がらなかった。各政党の考えを詳しく知りたくても手軽に知る手段が見つからず、戸惑っている。
ブラジルでは「祭りの雰囲気」
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