日本映画の黄金時代を支えた俳優の司葉子さんが今年、デビュー70年を迎えた。出演した映画は100本以上、テレビ・舞台でも活躍した。世界的な巨匠である黒澤明と小津安二郎の両監督作品に出演している貴重な存在だ。
司さんは鳥取県境港市の出身。県内有数の旧家、庄司家の一族で、1934年、三姉妹の三女として生まれた。共立女子短大を卒業後、大阪のテレビ局に就職したが、短大時代に撮影した雑誌の表紙写真が東宝の目にとまり、映画界へ。
54年8月公開の「君に死に給うことなかれ」でデビュー。当時、絶大な人気を誇った池部良さんの相手役だった。1本だけの約束だったが、撮影所スタッフの仕事ぶりに感動して続けることになった。
右も左もわからない駆け出し…