「会津藩校日新館」に復元された「水練水馬池」。水馬とは、馬に乗って川などを渡ることを意味する。「日本最古のプール」の深さは2メートル前後もあったという=福島県会津若松市、鬼室黎撮影

 この夏も暑そうだ。観測史上最も暑かった過去2年ほどではないらしいが、やはり猛暑が予想されている。こう暑いと海やプールに出かけたくなる。そういえば以前、海水浴場の「はじまり」を訪ねた。ではプールのそれはどこだろう……。プールのはじまりを知りたくて、まず福島県会津若松市へ向かった。

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 JR会津若松駅で磐越西線(ばんえつさいせん)を降りる。改札を出て国道を真っすぐ南へ向かうと間もなく、左手に鶴ケ城が見えてきた。

 国道をはさんですぐ西側に、複数の石碑や案内板が立っている。空き地や住宅地が広がり、しのべるものはわずかに残された天文台の跡くらいだが、かつてここに会津藩の藩校「日新館」があった。

 校舎の完成は1803(享和3)年。東西約230メートル、南北約120メートルという広大な校内に「水練水馬池(すいれんすいばいけ)」が設けられた。これこそが日本最古のプールとされている。

大きなプールを設けたわけとは

 どんな施設だったのか。鶴ケ…

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