関東から九州の手前まで約1千キロにわたる国内最大の断層・中央構造線。三重県松阪市飯高地域には中央構造線が地表に現れた「露頭」が2カ所ある。いま地元では、露頭の規模が国内でも最大級と言われる地質的価値を生かし、「日本ジオパーク」の認定をめざす動きが始まっている。
「バイクで来ました。自然の壮大さに感動」
「これが1億年前にできた景色か」
「月出の中央構造線」に近い休憩所に置かれた自由帳には、全国からの来訪者の感想が記され、英国など海外から訪れる研究者もいる。
松阪市飯高町月出の標高約600メートルの山中にある「月出」の露頭は、1959年の伊勢湾台風によって、斜面の一部が崩れたため発見された。高さ約80メートル、幅約50メートルにわたって、断層が見える。2002年には国の天然記念物に指定された。
ここから東へ約5キロの標高約800メートルの山中には、松阪市飯高町粟野と田引にまたがる「粟野・田引の中央構造線」がある。こちらは12年に林道建設のため切り崩した斜面で発見された。露頭は高さ約35メートル、幅約80メートル。白っぽい花崗岩(かこうがん)と黒っぽい結晶片岩の境目が、間近にくっきりと見分けられ、20年に市の天然記念物に指定された。
地質資源を生かしたツーリズム
「日本ジオパーク」認定をめ…