韓国を訪問中の小泉進次郎農林水産相が11日、ソウルで韓国の趙顕(チョヒョン)外相と会談し、韓国が続けている日本産水産物の輸入規制の撤廃を求めた。韓国側の反応については明らかにしなかった。
小泉氏は会談後、記者団に「日本産食品への信頼は十分回復している。早期の規制撤廃に向け、双方の関係省庁間の意思疎通が速やかに進むことを強く期待している」と述べた。「科学的にしっかりと進めていけば、両国間の理解は必ず得られる」とも語った。
韓国は東京電力福島第一原発の事故を受け、福島県や宮城県など8県の水産物の輸入を停止している。
日本の農水相が韓国外相に会うのは異例で、小泉氏は会談の実現について「日韓関係を推進、発展させていくというメッセージの一つの表れではないか」と語った。
韓国外交省は、趙氏と小泉氏が日韓関係全般と経済分野の相互に関心のある議題についても意見交換し、懸案に対する緊密な意思疎通の必要性を強調したとした。趙氏は「国交正常化60周年を迎えた韓日関係をより堅固で成熟し、未来志向的に発展させていくには、各級でのより活発な(意思)疎通が必要だ」と述べたという。
小泉氏はアジア太平洋経済協力会議(APEC)食料安全保障担当相会合や日中韓農相会合に出席するため、韓国を訪れていた。