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 臨済宗建仁寺派の大本山建仁寺(京都市東山区)で、日本画家の小泉淳作さん(1924~2012)の生誕100年を記念した企画展が開かれている。小泉さんが描いた法堂(はっとう)の天井画「双龍(そうりゅう)図」のほか、ハスや梅の絵など初期から晩年までの40点余りが並ぶ。23日まで。

 小泉さんは神奈川・鎌倉で生まれ、第2次世界大戦中から戦後にかけて東京美術学校(現・東京芸術大学)で日本画を学んだ。

 初期には人の顔をよく描いたが、1960年代には風景を題材にするようになった。岩手山や鳥海山、妙義山などの山々を写実した。2000年代以降は建仁寺のほか、鎌倉・建長寺や奈良・東大寺の天井画やふすま絵を手がけた。

 東大寺所蔵のふすま絵「蓮池」は、ハスの花が16面に描かれている。岩絵の具の輪郭線が目を引く。企画展を監修した泉屋博古館東京(東京都港区)の野地耕一郎館長によると、花の印象は輪郭線の効果によって朝と夜で変わる。

 「小泉さんは時間を描く意識で日本画を描いていた。だから一つとして同じ花はない。どの絵も小泉さんの顔がにゅっと出てきそうです」と話した。

 作品は建仁寺の本坊と塔頭(たっちゅう)の禅居庵(ぜんきょあん)に飾られている。拝観料一般800円、小中高生500円が必要。午前10時~午後5時(受け付けは午後4時半まで)。問い合わせはメールで企画展事務局([email protected]メールする)。(西崎啓太朗)

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