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 東京大空襲から80年となる10日、米軍による日本本土空襲を指揮したカーチス・ルメイ氏に対する日本政府の叙勲を取り消すことを求める市民らが、政府に要請書を手渡した。

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 ルメイ氏は戦時中、日本に対する爆撃機部隊の司令官として、日本国内各地への空襲を指揮。東京大空襲については回想録で「近代航空戦史上で画期的なできごと」と自賛した。日本政府は戦後、航空自衛隊発展の功績で1964年に勲一等旭日大綬章を授章した。

 これについて、沖縄戦戦没者の遺骨収集を続ける市民団体「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さんらは10日に国会内で、勲章の法令を担当する内閣府賞勲局職員と面会。ルメイ氏について「東京大空襲で一晩に10万人以上の市民が焼き殺された事実への悔恨の念などなく、次々と全国の都市の市民を殺戮(さつりく)する無差別爆撃を進めた」と非難。叙勲は「ルメイ氏による日本人の大量殺戮を日本政府が看過したということ」だとして、取り消しを求めた。

 担当職員は「功績調書に、航空自衛隊の功績以外の記録は残っていない。功績を覆す事案がない限り、新たに議論することはない」と述べた。

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