日本統治下の台湾で、2人の若き植物学者は夢を語り合う。「いつか、僕らで南洋植物専門の標本館を作らないか?」。時代の大きなうねりの中を懸命に生き抜いた人々を、葉山博子さんはデビュー2作目の「南洋標本館」(早川書房)で描き切った。 葉山さんは、1988年に金沢市に生まれた。子どもの頃から文学好きだっ…