毎週日曜日。JR福井駅近くの複合施設の一室に、福井県内で働くベトナム人の若者らが集まってくる。出迎えるのは、「福井ベトナム人日本語勉強会」会長のフン・アン・トゥアンさん(32)。日本人ボランティアの力も借り、日本語を学び、交流する場を同胞たちに提供している。
トゥアンさんが会を立ち上げたのは2016年。福井工業大の留学生だったとき。技能実習生を受け入れる県内の団体で通訳のアルバイトをしたのがきっかけだった。
彼らと話す中で、日本語がよく理解できないために職場で問題が起きていることを知った。日本語で指示され、意味がわからないのに「はい」と答えて間違ったことをしてしまい、怒られるケースが多かった。
何とかしたいと、同じバイト仲間の留学生らとともに勉強会を企画し、SNSで参加を呼びかけた。二十数人でスタートし、これまでの受講者は延べ約200人にのぼる。
トゥアンさん自身は19歳の…