日本の在留資格の申請に利用できる日本語テストで替え玉受験をしたとして、愛知県警は21日、いずれもベトナム国籍の滋賀県湖南市菩提寺東1丁目、会社員ティエン・サイン・ヴィエン(35)と住居・職業不詳のチュオン・タイン・タオ(40)の両容疑者を私電磁的記録不正作出・同供用の疑いで逮捕し、発表した。県警は2人の認否を明らかにしていない。
国際捜査課によると、2人は他の者と共謀し、昨年10月20日、独立行政法人・国際交流基金が実施した「日本語基礎テスト」の名古屋市中村区の会場で、ティエン容疑者がチュオン容疑者になりすまして受験し、パソコンから答案データを送信した疑いがある。
このテストの判定は「特定技能」の在留資格申請などに利用できるという。県警は当時、技能実習生だったチュオン容疑者が、より長く在留できるといった利点を求めて特定技能の資格を得ようとし、日本語能力が高いティエン容疑者が替え玉受験を引き受けたとみている。県警は、組織的な替え玉受験が横行している可能性も視野に捜査を進める。
2人は受験会場で入れ替わったとみられ、県警は同基金からの相談を受け捜査していた。