東京都内の郵便局のロゴ

 日本郵便は22日、配達用バイクなど二輪の点呼の実施状況について、全国の郵便局を対象とした社内調査の結果を発表した。対象となる全国3188局のうち約6割の1834局で、法令などで義務づけられている乗務前後のアルコールチェックを怠るなど、不適切な点呼が確認された。

  • 配達員が酩酊運転、車でワイン 日本郵便、その後も不適切点呼が横行

 調査の結果、全国13支社の全てで、不適切点呼の事例があった。日本郵便によると、道路交通法施行規則では、一定以上の規模の営業所は安全運転管理者を置いてアルコールのチェックをする必要があるが、1444局がチェックを怠っていた。飲酒による事故などは起きていないという。安全運転管理者の処分は今後検討するとしている。

 件数でみると、点呼が必要な61万5千件のうち、2割強にあたる15万1千件が不適切だった。このうち98%にあたる約14万9千件が、点呼をしていないのにしたかのように記録を改ざんした「不実記載」にあたるという。

トラックは許可取り消し処分

 日本郵便はトラックなどの四輪のほか、全国で二輪を約8万3千台保有している。貨物自動車運送事業法に基づくトラックと異なり、排気量が125CC以下のバイクは同法の対象外で、二輪に関しては運送許可の取り消しなどの処分は科されない。同社は「飲酒運転防止の点から不適切な事案であり、重く受け止めている。再発防止に取り組んでいきます」とした。

 日本郵便を巡っては、各地の郵便局で、運転手の健康状態などを調べる法定の点呼が適切に実施されていないことが判明し、同社は全国調査の結果を4月に公表した。対象となる全国3188郵便局のうち、四輪に関し、75%にあたる2391局で不適切な点呼を確認した。

  • 郵便・ゆうパックに影響は 日本郵便、一部運送を佐川などに委託開始

 国交省は6月、日本郵便の一般貨物自動車運送事業の許可を取り消す処分を出した。同社は約2500台のトラックが使えなくなり、トラックを使用していた便の約58%を子会社や同業他社に委託し、残りを自社の軽貨物で代用している。国交省は軽バンなどの軽貨物車の点呼についても監査を続けており、結果がまとまり次第、「車両使用停止」の処分を科すとみられる。

 日本郵便は四輪の調査結果公表に際し、二輪の点呼の執行状況についても社内調査結果を公表すると説明していた。

共有
Exit mobile version