全国のPTA団体でつくる公益社団法人「日本PTA全国協議会(日P)」の元会長が、解任の理由となったパワハラ認定の手続きをめぐって精神的苦痛を受けたとして、日Pに慰謝料330万円を求めた裁判があり、宇都宮地裁で16日、双方の和解が成立した。原告側によると、日P側の手続きが十分ではなかったことを認める内容だ。

 提訴していたのは、2023年7月に会長を解任された金田淳氏(52)。日Pは、金田氏が都内の事務局で、女性事務局員に臨時理事会に関する文書の内容を修正するよう長時間にわたり繰り返し求めたとして、パワハラにあたると認定していた。

 一方、金田氏は訴状で「理事会で解任が審議されたときに初めて、ハラスメントの調査対象になっていたことを知った」と主張。録音データを提出するなどして、「パワハラがなかったことは明白」と訴えていた。

 日Pは訴訟のなかで、当時の日Pハラスメント対策委員会が、金田氏がパワハラの加害者であるという意見を具申したことについて、「適正手続という点から十分なものではなかった」と認めた。女性事務局員の体調面などを考慮し、金田氏側を調査しないままパワハラ行為を認定していたという。

 日Pも16日、ホームページで和解について報告し、その内容を公表した。

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