経営不振の日産自動車は11日、内田誠社長や3人の副社長の全員が退任するなどの、新たな経営体制を公表した。新社長には商品企画部門トップのイバン・エスピノーサ氏を起用する。
内田氏は同日夜に開いたオンライン記者会見で、「私の責任を問う声が社内からも出てくるようになった」と退任理由を述べた。会見には木村康・取締役会議長も同席した。取締役会の監督責任を問う声について木村氏は「新体制を構築することが責任」と述べ、12人中8人の社外取締役については留任で調整していると明らかにした。
- 日産新社長にエスピノーサ氏「安定と成長を取り戻す」 内田氏は退任
会見での主なやり取りは以下の通り。
内田誠社長「日産が進む方向性を明確にしてバトンタッチすることが責任と考え、業績回復に取り組んできた。だが私の責任を問う声が、社外だけでなく従業員からも出てくるようになった。一丸となって課題に取り組む環境を作ることが不可欠だが、信任を得られなくなったことと取締役会からの要請があったことを踏まえ、新体制でスタートすることが最善と判断した。じくじたる思いだが、成長軌道に戻ることを心から願う。日産はこんなものじゃない。この先必ず復活できると確信している」
木村康・取締役会議長「内田さんの在任期間も5年を過ぎ、業界が厳しい状況にある中、当社の状況を踏まえると、体制の刷新は必要かつ適切。エスピノーサさんは長年のキャリアを通じて、日産愛が強く、情熱とスピード感を持って業績回復と発展をリードしてくれると信じている」
――経営の改善への意気込みや、ホンダとの協業関係への考えを。
イバン・エスピノーサ新社長…