日米比首脳会談前、写真撮影に臨む(右から)岸田文雄首相、米国のバイデン大統領、フィリピンのマルコス大統領=2024年4月11日午後4時19分、米ワシントンのホワイトハウス、岩下毅撮影
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 日米フィリピンの首脳による会談が11日、米ワシントンで初めて開かれ、安全保障上の協力の強化で合意した。米側が3カ国での首脳会談の実現にこだわったのはなぜか。米外交問題評議会のシーラ・スミス上級研究員に聞いた。

 スミス氏は今回の日米比首脳会談について、「インド太平洋全体で(米国を中心とした)安全保障協力がますます『ネットワーク化』されるなか、日米同盟がその基礎となっていることが示された」と指摘する。

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 会談の背景にあるのが、南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島近海で、中国の攻撃的な行動が相次いでいることだ。これまで日米や米比といった二国間では海上の共同訓練が行われてきたが、今回初めて、日米比3カ国での自衛隊と米比海軍による共同訓練の実施に合意した。スミス氏は、「フィリピンだけでは中国に対応できず、日米ともにフィリピンの海洋能力の構築を必要としている」と指摘。「米国だけでなく、日本もフィリピンを支持していることを示す、強い抑止のメッセージになる」とみる。

 会談について、「インド太平…

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