「100年をたどる旅」アメリカ編 解説
米国の排外主義はトランプ大統領だけの政策でもないし、最近始まったことでもない。米国は移民の国であるのと同時に、人種差別や排外主義という宿痾(しゅくあ)も抱えてきた。
- 日本の針路もゆがめた「排日移民法」の衝撃 内向き米国の向かう先は
米国はもともと17世紀以来、欧州での抑圧を逃れ大西洋を渡った難民がつくった国だ。だが19世紀後半の南北戦争後、南部の白人らは白人至上主義の秘密結社「クー・クラックス・クラン」(KKK)を結成。1920年代には全国組織に成長した。
米国西部では、開拓のピークが去った19世紀後半、アジアを脅威とみる「黄禍論」が広がった。1882年には中国人移民労働者を制限する中国人排斥法(排華移民法)を制定。20世紀には、1905年に日露戦争に勝利した日本が標的となった。
排日運動は、移民が上陸する西海岸のカリフォルニア州で激化した。06年にはサンフランシスコ市の教育委員会が、日本人学童を一般公立学校から東洋人学校に強制的に転学させる決議を採択。日本政府が懸念を表明し、当時のセオドア・ルーズベルト大統領は「まったくの愚行」と非難した。日米交渉の結果、日本側が米国への労働移民を年500人以下に自粛する「日米紳士協定」を結んで決着した。学童隔離決議も撤回された。
英米協調からの転換点に
しかし排日の機運はやまない…