トランプ米政権による関税措置をめぐる日米閣僚級協議を受け、取材に応じる石破茂首相=2025年5月2日午前11時1分、首相官邸、岩下毅撮影

 トランプ関税に関する日米交渉をめぐり、石破茂首相が7月初旬想定の参院選公示前後の合意を目指す意向であることがわかった。当初は6月中旬までの合意を目指すスピード決着を図る考えもあったが、高関税措置に対する米国内世論の反発が強いため、米政府側の出方を慎重に見極める方が得策との見方に傾いた。合意が参院選の時期に重なれば、「高関税措置の回避」という政権の実績を選挙でアピールできるとの読みもある。

  • 日米関税交渉めぐる決着時期、石破政権の考える三つの「シナリオ」

 複数の政府関係者が明らかにした。今月1日の米ワシントンでの赤沢亮正経済再生相と米側との2回目の協議後、首相は周辺に「急いで合意する必要はない」との考えを伝えたという。日米交渉をめぐっては、首相は最終的に自身が訪米し、トランプ米大統領との直接会談で決着させる構想をもつ。首相は、米政権が90日間と設定した相互関税上乗せ分の猶予期間が終了する7月9日の前後を念頭に訪米を目指す意向だ。

 合意時期をめぐっては、石破政権内では当初、6月中旬にカナダで開かれる主要7カ国首脳会議(G7サミット)前後になるとの見方があった。トランプ氏が4月16日開催の初回の日米協議で「日本との協議が最優先」との考えを示し、スピード決着させる考えを強調していたからだ。日本側は、トランプ氏が日本との合意を「G7でアピールしたい」(政府高官)とみて、G7前の首相訪米の可能性を念頭に置いていた。

 しかし、米国内では、高関税…

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