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2025年3月22日、東京での日韓外相会談で握手をする岩屋毅外相(右)と韓国の趙兌烈外相=韓国外交省提供

 岩屋毅外相と韓国の趙兌烈(チョテヨル)外相が22日、東京で会談した。日本外務省によると、日韓関係の良好な基調を維持・発展させるとともに、日米韓の連携を強化していくことが双方の戦略的利益であるとの認識を確認した。

 冒頭、岩屋氏は「日韓を取り巻く地域、世界の情勢は激動の時代を迎えている。日韓関係、日韓米協力の戦略的重要性はますます増大している」と発言。趙氏は「両国の外相が顔を合わせて活発に意思疎通することが両国関係において望ましい姿だ」と述べた。

 会談で両外相は、北朝鮮の核・ミサイル開発やロシアとの軍事協力の進展などに深刻な懸念を共有し、日韓、日米韓で緊密に連携していくことで一致した。韓国側によると、今年で国交正常化から60年を迎えるなか、日韓関係のあり方全般を点検し、未来志向的な発展の方向について意見を交わしたという。

 岩屋氏は昨年12月の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領による「非常戒厳」の宣布から約1カ月後の1月に訪韓し、趙氏と安全保障などでの日韓の緊密な連携を確認したばかりだ。

 米国を交えた会談を含めると、今年に入って岩屋、趙両氏の会談は今回で3回目となる。日本外務省幹部は「日韓関係は良好な基調にあり、難しい問題についてもしっかり議論できている」と話す。

 こうした関係性は尹政権の主導によるところが大きかったが、尹大統領が弾劾(だんがい)訴追され、政権の行方は見通せない状況が続く。トランプ米政権下で米国の東アジアへの関与が不透明ななか、日本としては韓国との強固な関係性を繰り返し確認しつつ、一致して米国の関与を引き出したい考えだ。

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