2025年8月25日、ホワイトハウスで韓国の李在明大統領(右)を出迎えたトランプ米大統領=AP

 トランプ米大統領と李在明(イジェミョン)韓国大統領は8月25日の首脳会談で、米造船業の復活に向けた協力を進めることで合意しました。李氏は26日、韓国ハンファオーシャンが買収したフィリー造船所を視察します。米マカレスター大学のアンドリュー・レイサム教授(国際安全保障)は日米韓協力を直ちに推進しなければ、造船能力で中国に敗れると警告します。

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 ――米海軍は空母や潜水艦などの建造が遅れています。

大型艦の建造が「例外なく」遅れる米海軍

 米海軍の大規模艦船の建造はすべて遅れています。ジェラルド・フォード級空母の3番艦「エンタープライズ」の建造は約18~26カ月遅れています。老朽化したオハイオ級原子力潜水艦に代わる新型のコロンビア級原潜は、少なくとも12~16カ月遅れています。海軍は昨年、バージニア級攻撃型原潜の建造能力について、予定した年間2隻をはるかに下回る年間1.3隻に過ぎない事実を認めました。現在、建造は最大3年も遅れています。

 新型コンステレーション級フリゲート艦の建造は36カ月遅れており、最初の引き渡しは早くても2029年まで行われません。海軍は、こうした遅れが単なる「例外的な状況」ではないことを認めています。

 ――西太平洋で、中国海軍と米海軍の戦力をどう評価しますか。

 米攻撃型原潜の能力は依然高く、艦載航空戦力もはるかに経験豊富です。海軍統合射撃管制・対空(NIFC―CA)などの能力で長距離射撃をネットワーク化して統合する能力は依然、米軍が中国軍をはるかに上回っています。

 しかし、物量も重要です。中国海軍は370隻以上を就役させ、2020年代後半までにさらに増えるでしょう。中国軍が艦船、ミサイル、無人機で戦闘空間を飽和させる能力が高まり、バランスが変わりつつあります。世界的に展開する米国と異なり、中国は戦力の大部分を西太平洋に集中できます。内陸の通信線と迅速な修理・整備能力に支えられ、長期戦で中国が勝利する可能性は以前よりもはるかに高まっています。

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