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日系ブラジル人の子どもたちをのケアを続ける臨床心理士 中川郷子さん(68)

 ブラジル・サンパウロで日系人を支えるクリニックを開きながら、毎年のように来日する。「デカセギ」で日本にきた日系ブラジル人が多く暮らす地域に足を運び、日本で育つ子どもたちの声に耳を傾けるためだ。

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 「ママがいなくて寂しい」「パパがぶつの」。周囲に自動車部品工場が集積する愛知県豊田市の保見団地には21年前から通う。団地の集会所や周囲の小学校で話を聞くと、寂しさを募らせたり落ち着きがなかったり、そんな子どもが増えていると感じる。学校では「ルールが守れない」と言われ、家に帰っても親は夜勤で工場に。ポルトガル語で2時間話し続けた子どもが何人もいた。そんな姿に、かつての自分を重ねる。

 東京生まれで、生後5カ月でブラジルへ。母は日本人で父は中国人。小学3年生までポルトガル語は話せなかったが、辛抱強く教えてくれた現地の先生の支えもあって友だちもできた。

 サンパウロの大学で博士号を…

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