「茜雲」を取りまとめた遺族会「8・12連絡会」代表の美谷島邦子さん=2025年7月2日午後4時25分、東京都千代田区、贄川俊撮影

 1985年8月12日に日本航空(JAL)のジャンボ機が墜落し、520人が死亡した事故から40年となるのを前に、遺族会「8・12連絡会」は、遺族や関係者30人以上の手記を集めた「茜雲(あかねぐも)」を発刊した。犠牲者の写真とともに、孫の成長、家族の死、故人に「会いたい」という思いなどがつづられている。

 8・12連絡会は事故翌年から毎年、遺族の手記を「茜雲」と題して主に会員向けの冊子にまとめてきた。20年、30年目の節目は、事故を知らない世代にも広く伝えようと一般向けに本を出版してきたが、今回は冊子の形で作り、自費出版となった。

 今回は新たに、事故現場の群馬・御巣鷹で登山整備を続けるJALの取り組みや、遺族会の40年間の活動の歩みも年表として載せた。

 表紙のオレンジ色は、520人が最後に見たであろう夕焼け空をイメージしている。題字の「茜雲」は、夫(事故当時37)、長女(同9)、長男(同7)を事故で亡くした書道家が手がけた。

 8・12連絡会代表の美谷島邦子さん(78)は「御巣鷹のつながりがあって茜雲をつくってこられた。この5、6年は一緒にやってきた人がたくさん亡くなり、その人たちに捧げるものでもあります」と話した。

 「茜雲」は1800円(送料込み)。問い合わせは一般社団法人「いのちを織る会」のホームページ(inochiwoorukai.jimdofree.com)へ。

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