日本と英国、イタリアが共同で開発している次期戦闘機のイメージ。英BAEシステムズが2024年7月22日に朝日新聞に提供した

 日英伊で共同開発中の次期戦闘機の開発計画「グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)」をめぐり、日英伊3カ国がサウジアラビアについて「パートナー国」として参画することを容認する方向で調整に入った。

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 複数の日本政府関係者が2日、明らかにした。サウジはこれまで戦闘機の開発を管理する政府間機関「GIGO」の条約に基づく正式な参画を求めてきた。英伊両国はサウジの資金力に強い期待感を持つものの、日本側は交渉相手が増えることで開発が遅れる可能性や、中国やロシアとの武器取引などから情報保全を懸念。だが、4月中旬の日英伊とサウジの協議で、サウジ側が正式メンバーとしての早期参画にこだわらない姿勢をとったため、サウジを「パートナー国」と位置づけて参画を容認し、協議に入ることにした。日本としては、サウジが直接の開発に携わることは想定せず、資金面などの協力関係にとどめたい考えだ。

 条約に基づくサウジの正式参画に向けては、サウジの技術力向上と情報保全措置などの条件をつけ、将来的な余地を残す方向で調整している。ただ、日本政府内には「最終的には正式参画は難しいだろう」(関係者)との見方もある。

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