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北島一陸将補=2025年3月12日、長崎県佐世保市、牧野愛博撮影
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 米軍が沖縄本島に上陸を開始してから、今月1日で80年が過ぎました。「日本版海兵隊」と評される陸上自衛隊水陸機動団を率いた北島一団長(インタビュー当時、3月24日付で統合作戦司令部作戦部長、陸将補)は、「二度と戦争を繰り返してはならない」と外交の重要性を強調しつつ、「相手に日本侵攻を思いとどまらせるだけの対処能力を持たなければいけない」とも語ります。

 ――2月19日~3月7日に、離島奪還などを想定した日米共同訓練「アイアン・フィスト(鉄の拳)」が九州・沖縄の各地で行われました。

 本格的な水陸両用作戦を実施する水陸機動団の発足は2018年3月です。当時から「日本を取り巻く安全保障環境は厳しい」という認識がありました。24年3月には、基幹部隊の水陸機動連隊が2個から3個に増強されました。アイアン・フィストにも日米約4千人が参加し、日米の相互運用性を高めました。

 ――米海兵隊は最近、敵による攻撃の兆候が現れた場合に緊急展開する「遠征前進基地作戦(EABO)」構想を掲げ、23年11月には沖縄に駐留する第12海兵連隊を第12海兵沿岸連隊(MLR)に改編しました。

 戦略環境が目まぐるしく変わり、戦術も日進月歩で変化しています。常に運用構想を変革する必要を意識しながら、自衛隊は(陸海空やサイバー、宇宙などに対応する)領域横断作戦に取り組んでいます。米軍とも様々な演習を通じ、最新の戦術や部隊運用構想について相互理解を深めています。

【連載】読み解く 世界の安保危機

ウクライナにとどまらず、パレスチナ情勢や台湾、北朝鮮、サイバー空間、地球規模の気候変動と世界各地で安全保障が揺れています。現場で何が起き、私たちの生活にどう影響するのか。のべ320人以上の国内外の識者へのインタビューを連載でお届けします。

 ――今年3月、陸海空自衛隊…

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