アジアを中心に事業を展開してきた日本製鉄が米国という先進国最大の市場にたどり着いた。チャンスが大きい分、背負ったリスクもまた小さくはない。
「私が1979年に新日本製鉄(現日鉄)に入社した時は世界一の鉄鋼メーカーだったが、残念ながら順位をどんどん下げてきた。もう一度、復権する」
日鉄の橋本英二会長は19日の記者会見でそう強調した。世界鉄鋼協会によると、日鉄の2024年の粗鋼生産量は世界4位。29位のUSスチールと統合し、首位の宝武鋼鉄集団(中国)を追う。
国内需要が期待できず、景気が振るわない中国での事業を大幅に縮小したいま、見定める成長の舞台は、東南アジアとインド、そして米国だ。
米国の昨年の鉄鋼需要は、中…