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2025年5月30日、米ペンシルベニア州にあるUSスチールの工場で演説するトランプ大統領=ロイター
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 日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画で、日鉄は14日、トランプ米大統領が両社の「パートナーシップ」を承認したと発表した。日鉄関係者によると、USスチールの普通株を日鉄が100%取得する完全子会社化を認める内容。一方で、経営の重要事項に拒否権を持つ「黄金株」を米政府に発行する。

 買収費だけで141億ドル(約2兆円)を投じる日米の大型合併・買収(M&A)は、計画の発表から1年半を経て結実に向かう。

 これに先立ち、トランプ米大統領は13日、バイデン前大統領が出した「買収禁止命令」を修正。日鉄とUSスチールが、米政府と国家安全保障協定を結ぶことを条件に、買収容認に道を開いた。

 トランプ氏はUSスチールについて「米国が支配する」と言い続けてきた。安全保障協定を結ぶほか、強い権限を持つ黄金株を米政府に付与することで、「米国支配」の形を整える。

日本製鉄

日本製鉄 本社は東京都千代田区。1901年に操業を始めた官営八幡製鉄所の流れをくむ新日本製鉄が住友金属工業と2012年に合併。19年に社名を日本製鉄とした。粗鋼生産量は2024年時点で世界4位、日本1位。従業員は約11万人。

USスチール

USスチール 本社は米ペンシルベニア州ピッツバーグ。1901年に「鉄鋼王」アンドリュー・カーネギー氏らが設立し、米国の近代産業の発展を支えた。1960年代まで粗鋼生産量で世界首位。2024年時点は世界29位、米国3位。従業員数は2万人余り。

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